世界の緑の光が、日本の子どもたちに届いた日
2026年のPANS/PANDAS Awareness Day。世界各地で灯った緑の光を知り、日本の子どもたちは何を感じたのでしょうか。「自分だけじゃない」という思いと、来年への希望を、子どもたち自身の言葉から紹介します。
―PANS/PANDASの子どもたちが感じた「自分だけじゃない」
2026年10月9日。
世界各地で、PANS/PANDASへの理解を広げるための緑のライトアップが行われました。
けれど、今回私たちが伝えたいのは、緑色に照らされた建物の美しさではありません。
その活動を知った、日本のPANS/PANDASの子どもたちから聞いた言葉です。
「世界中の人とつながっている感じがして、うれしかった」
「こんなに世界中の人がPANSのことを知っているって知って、びっくりした」
「来年は、家に緑のライトをつけたい」
世界のどこかで灯された緑の光が、日本の子どもたちに、こんな気持ちを届けていました。
1|世界の緑の光が、日本に届いた
毎年10月9日は、World PANS/PANDAS Awareness Dayです。
2026年には、国際キャンペーン「#LightUp4PANS」のもと、世界各地で緑のライトアップが行われました。
主催団体Inflamed Brain Allianceの報告では、21のパートナー団体と世界330か所のランドマークがキャンペーンに参加しました。
すべての施設が10月9日に点灯を終えたわけではなく、前後の日程で実施された施設や、今後の点灯予定も含まれています。
ナイアガラの滝やCNタワーをはじめ、世界各地のランドマークがこの活動に加わりました。
この世界的な取り組みを知ったとき、日本の子どもたちは、どんなことを感じたのでしょうか。
2|「世界中の人とつながっている感じがして、うれしかった」
一人の子どもは、こう話してくれました。
世界中の人とつながっている感じがして、うれしかった。
学校の友だちや先生には、なかなか分かってもらえないこともあるけれど、遠くに住んでいる人が応援してくれていたり、自分と同じような経験をしている同じ年くらいの子がいると思うとうれしかった。
いつか会いに行きたい。
日本でもみんなで集まったり、建物が緑に光ったりするイベントができたらいいなと思う。
PANS/PANDASでは、不安やこだわり、感覚の変化、食事、睡眠、学習など、外からは理解されにくい症状が現れることがあります。
本人にとっては大きな困難でも、周囲にはその理由が伝わりにくいことがあります。
学校で友だちや先生に分かってもらえないと感じることもあるかもしれません。
そんな中で、世界には自分と同じような経験をしている子どもがいると知ること。
遠く離れた場所にも、自分たちを応援してくれる人たちがいると感じられること。
その言葉からは、「自分だけではない」と感じられたことのうれしさが伝わってきます。
特に印象的だったのは、
「いつか会いに行きたい」
という言葉です。
ただ病気について知ってもらいたいだけではなく、同じような経験をしている子どもたちと出会ってみたい。
世界のライトアップは、そんな未来を想像するきっかけにもなりました。
3|「こんなに世界中の人がPANSを知っているなんて」
もう一人の子どもは、世界で行われている啓発活動を知って驚いたといいます。
こんなに世界中の人がPANSのことを知っているって知って、びっくりした。
日本ではみんなあまり知らないし、ライトアップのことも知らなかったから。
でも、たくさんの人がPANSのことを知ってほしいと思ってくれているのが、うれしかった。
自分も来年は、家に緑のライトをつけたいと思った。
日本では、PANS/PANDASという病態は、まだ広く知られているとはいえません。
子どもの急な不安や行動の変化、学習の困難などが、PANS/PANDASと関係している可能性について、知る機会が少ない人もいるでしょう。
そんな中で、世界各地にPANS/PANDASについて知ってほしいと願う人たちがいて、大きな建物を緑色に照らす活動まで行われている。
本人が話してくれたように、それは大きな驚きだったようです。
そして、子どもの言葉からは、うれしかったのがライトアップの規模だけではなかったことも伝わってきます。
自分たちが経験していることを、世界のどこかで理解しようとしてくれている人たちがいる。
そう感じられたことに、今回の活動の大切な意味があるように思います。
4|「来年は、家に緑のライトをつけたい」
今回、もう一つ心に残ったのが、
「自分も来年は、家に緑のライトをつけたい」
という言葉です。
今年は、世界のライトアップを知って驚いた子どもが、来年は自分も参加したいと話してくれました。
大きなランドマークを緑色に照らすことは、簡単ではありません。
でも、家の玄関灯を緑色にしたり、窓辺に小さな緑のライトを置いたりすることなら、家庭でもできるかもしれません。
小さな緑の灯りでも、「PANS/PANDASを知ってほしい」という気持ちを、世界の活動と一緒に表すことができます。
見る側だった子どもが、今度は自分も光を灯してみたいと思ったこと。
世界の啓発活動が、一人の子どもの次の行動につながろうとしていること。
そこにも、今回のAwareness Dayの意味があると感じました。
5|「日本でも、みんなで集まりたい」
もう一度、最初の子どもの言葉に戻りたいと思います。
「日本でもみんなで集まったり、建物が緑に光ったりするイベントができたらいいなと思う」

この言葉には、これからの日本で実現できたらうれしい未来が表れています。
PANS/PANDASについて知る人が増えること。
学校や地域でも、子どもの急な変化の背景にある病態について理解が広がること。
同じような経験をしている子どもたちや家族が、出会い、話し、つながれる機会が生まれること。
そして、いつか日本でも、Awareness Dayに緑の光が灯る場所が増えること。
今回、世界の緑の光を知った日本の子どもたちは、
「自分だけじゃない」
と感じ、
「いつか会いに行きたい」
と話し、
「来年は、自分も緑のライトをつけたい」
と思いました。
世界の緑の光は、遠くにある建物だけを照らしていたのではありません。
その光を知った日本の子どもたちの心にも、希望を届けていました。
来年は、日本からも緑の光が広がっていくかもしれません。
そして、その光をきっかけに、PANS/PANDASを知る人が増え、子どもたちや家族がつながっていけたらと思います。
#LightUp4PANS
参考情報
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